7月に購入した平成2年式isuzuファスター。

 始動不良、アイドリング不安定、走行中エンスト、爆白煙、劇重クラッチ、ターボ効かない、ブレーキブースター時々利かない、などなどひどい状態だったけれど、シャーシ、エンジン、ミッションなどは良好だったので。毎週の別荘通いが一段落する冬にまとめて整備するつもりでだましだまし乗っていた。

 9連休の正月休みは大晦日も元旦もなく、かかりっきりになってしまったけれど、天候に恵まれたお蔭でほぼ完璧に整備を完了し、見違えるほど完調になった。40年40万kmはいけるかも。

 去年の正月休みもロデオのタイミングベルト交換 をして2年連続で同じエンジン整備をするとは思わなかった。
 
 ロデオの時は初めてだったので5日間ほどかかったけれど、さすがに2回目となれば慣れたもの、前回つまずいたクランクプーリーボルト、クランクオイルシールなどもあっさりクリア、2日でテンショナ、ウォーターポンプ、ラジエターホース、サーモスタット、補機ベルトなど含め全て新品に交換終了。

 しかし一か所だけハマってしまった。写真はカムシャフトオイルシール交換のためプーリー・センタをプーラーで引っ張っているところだけど、前回は軽く手で取れたのでおかしい、長年の固着でカムシャフトまで抜けているのではないか、と勘違いし、固着をはがそうとハンマーで叩いたり、タガネを当てたりしてしまった。単にシャフトとプーリー。センタのクリアランスに個体差があっただけのようだ。ベアリングやシール当たり面に影響がねければいいけど。今のところは大丈夫そうfだ。

 
14年10万km使ったタイミングベルトの新旧比較。

ちょっと減りすぎでないかい。山の高さが2/3程しかないし、丸だったものが台形になっている。
前回20年6万km使ったロデオのタイミングベルト新旧比較。薄皮が剥けているという程度で形状にさほど変化はない。

走行距離が半分強とはいえ、この写真に比べて上の写真は減り方、量ともにおかしい。平成11年にベルト交換記録があるけれど、その時の張り調整が悪く弛んでいたのではないか。

交換後エンジンをかけてみたら、始動性、白煙とも格段に良くなった。
ベルトが弛んで噴射時期がずれていたのだろう。アイドリングも安定。ベルト交換は切れないためにやるもので調子が変わるものではないと思っていたけれど、エンジン不調の元凶は今回これだった。コマ飛びしてバルブ突く前に交換できてラッキーだった。

エンジン音も静かになった分、タペット音が気になるようになった。タペットクリアランス調整、できればヘッドOHしたいところだ。
サーモスタット、弁のタイプが違うけれど、右の古い方は半開きのままになっている。

どうりで水温計が動くまで15分位かかったわけだ。水温が低いままだと不完全燃焼で白煙まき散らすし、カーボン堆積するし、エンジン痛めるしロクなことがない。2000円程度なのでさっさと交換する。
ウォーターホースは長年の高温高圧に耐えてきたせいでメタボになっている。亀裂などはなかったけれど保険のため交換。1500円×2本。
この車のファンベルト張りはとても面倒。

オルタネーターを動かして調整するのだけど、エアコンコンプレッサーの下に隠れていて固定ボルトにメガネを掛けるのに苦労するしほとんど角度が取れない。調整ねじもないのでオルタネーターとコンプレッサーの僅かな隙間に鉄棒を突っ込んでテコの原理で引っ張るけど、1人では張りながら固定ボルトを締められないので天井からラチェットタイダウンベルトで張りつつスパナを表裏ひっくり返しながら少しずつ固定ボルトを締めていく。山の中で切れたら予備があっても現場作業は難しい。
劇重クラッチの原因はわかっていた。

なぜならロデオのクラッチも レリーズシリンダの錆で同じ症状だったから。

フルード交換を怠ると吸湿してシリンダ壁面が錆びつき、重くなったり引っかかったりする。ブレーキフルードはペーパーロックの恐怖があるから交換しても、クラッチフルードは切れていればいいと交換しないようだ。フルードは数年すると水になってしまう。水圧でも動くけれど当然錆が発生する。

メーカー在庫最後の1本だった油圧ホースも交換。クラッチは予想どおり劇的に軽くなったしミートタイミングがハッキリ感じられるようになった。が、ロデオに比べるとまだ若干重い。クラッチディスクが減ってクラッチスプリングが立ってきているのだろう。まだ滑るほどではないけれど、クラッチ交換はいすゞ見積もりで10万円。部品が出るのは有難いけれど、自分でやるにはリフトとミッションジャッキがないとつらいか。中国製2柱リフトが15万円だけど設置したところで果たして何回使うのか。下回りの錆落としなどが楽になるので欲しいけれど、ジャッキ&馬でも体力使えばほとんどのことはできる。
 ここのゴムブーツは写真のようにキャリパホルダー側に取り付けてからキャリパーに装着する。キャリパー側のほうが溝が深いので、ついキャリパーに取り付けたくなるけれど、ブレーキホースの取り回しに余裕がなく、どうしても斜めにこじって装着してしまう。するとゴムブーツが破れる。ゴムブーツは単品では購入できず。リペアキットになるので4000円!片方敗れていて交換するときに破ってしまった(泣)。しかし敗れたままでは確実にスライドピン錆び→ローター交換 になるし、新品のスライドピンはメーカー欠品で入手できない。丹念に磨きグリスアップし、ブレーキフルードを交換。
リヤのドラムブレーキはロデオの時は パンタジャッキをリーフとの間に挟んで強引に取り外したけれど、スライドハンマーを使うのが正しく、あっさり外れた、と言いたいけれど、サイドブレーキを引いたままま何十回もガンガンやって、外れねーな、とやってしまった。なぜか6mmの皿ビスが一本あってそれも外してなかった。

エアーで清掃し点検。シューの厚みも十分あるし、フルード漏れもなし。ブレーキフルードのみ交換。
ミッション&デフオイルの交換はロデオの時は重力式 というか、ペットボトルを逆さまにしてゆっくり流し込んでいたけれど、今回はガーデンスプレーで圧送することで1/3の時間で簡単にできた。本来は農薬や液肥の散布用だけど、800円程度と安いし、結構圧をかけることができるので20回くらいポンピングして放置しておけば粘度の高いギアオイルも結構なスピードで入っていく。おすすめ。

パワステフルードも刺激臭を放っていたので交換、フレーム、マフラーの錆を落としてシャーシブラック&耐熱スプレー。ユーザー車検もライト光軸が下に22cmズレで引っかかったけれど場内で調整して再検査でOK。

今後の懸念はステアリングのブーツが一か所破れあり、プロペラシャフト後端ジョイント少ガタ、リヤクランクシールから染み程度の微量漏れ、クラッチディスクそろそろか。バキュームホースが応急処置状態なので総入替必要、タペットクリアランス調整。どれも急を要することではないので来年の正月休みの課題にしよう。

正月休みをほとんど費やしたかいがあって、やっと信頼できる相棒を得た気分だ。
縦置FRマニュアル車は構造が簡単だし余裕のあるレイアウトなので、FF車やキャブオーバー車に比べたら格段に整備しやすい。今回各部の状態を完全に把握し、主要機関に問題ないことがわかったのであと10年10万㎞は行けそう。

購入当初のなんとか動いているような状態とは見違えるようで、最初はやっぱり軽トラにしとけば良かったと思ったりしたけれど、快適性、整備性、耐久性を考えたらピックアップも捨てがたい。年3万円余計に維持費が掛かるけれど、パワーは2倍トルクは4倍で燃費は軽油で13kmなので同等。荷台サイズは同じだけど最大積載重量は3倍で土砂もいける。なんといっても乗用車と同じポジションが取れるのは軽トラの直角シートとは大きな違いだ。リヤが固く跳ねるけれど、乗用車と軽トラの2台持ちに比べれば経済的だ。

 
一生付き合う予定のロデオの整備技術が上がっていくのが一番の喜びだったりする。
番外編

ネット廃人チェア?を作ってみました。


構想3日、製作2時間、材料費2000円。
25.4mmの電工パイプで作成。100均で2個100円の水道ホースバンドでチェアの下部フレームと連結し、さらに1本100円の荷締ベルトで固定する。
10年前の電源内臓タイプの重い19インチモニターだけど強度に不安はない。ACアダプタタイプで最近のLED軽量モニターなら27インチでもOKだろう。

机に向かって作業するよりはるかに快適で疲れない。
欠点は後ろのプロジェクター投射軸にかかってしまうこと。映画を見たりするときはパイプごと取り外すしかない。もっとも出番は月に数回もないのだけれど。

ネトゲやSNSにハマっているという訳ではありません。

ロデオベース(別荘)の大工、左官や車の整備には、ネットでの情報収集や工具、部品資材の調達が欠かせない。ネットで情報提供してくれる先人に感謝し微力ながらこのHPで情報発信もしていきたい。

いままでは左窓際の机で作業していたけれど、毎週基地に通う生活になってまとまった時間がとれずなかなか机に向かう気になれない。平日のわずかな余暇もついこの安楽チェアでまったりしてしまう。結果勉強や資材の調達が遅れがちになりいつまでもモータープール計画 が進まない。ダメダメな自分に喝を入れる恐るべきネット強制装置だ。


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