12月から3月は毎年冬眠期間ということで、遠出はせずにシーズン中なかなかできない各種メンテナンスや自分の心身のメンテナンスに充てることにしているが、今年はその禁を破り年も暮れにある理由があって出動した。

森が好きな私は冬枯れの景色はあまり見たくないのだが、日差しがあれば車内はポカポカで気分は良い。しかし一歩外へ出ると寒いは風は強いわで全然楽しめない。
瀬戸内海に無数にある島々のうちの1つを巡る道路。ガードレールなど全くないので景色はいい、が運転はスリル満点。

昨夜はこの島で宿泊したが、目当ての海水浴場は全て厳重な門で閉鎖されていたので止む無く行き止まりの道路の路肩でまさに就寝しようとしたその時暴走族バイクの全国共通のスロットルサウンドが1時間以上繰り広げられた。外気温は5度以下だと思うがよくやるわ、とお互い思っているんだろうけど。
全くこれだから人口の多い場所は嫌いだ。
さて、今回の旅の目的はヤフオクで落札した中古カヌー を広島県まで引き取りにいったのでした。

8月に北海道 の釧路川に行った時、カヌー で川下りがしたいなぁ、などとぼんやりと考えていたが、狙っていたSPOOKアルミカヌー そのものズバリが出品されていたので思考を経ずにポチッてしまった。
ロデオの天井高は2.62mである。手を伸ばしても届かない。カヌー の重量は24kgなので持ち上げることはできるが、その状態で脚立に昇るなど私にはできない。

ポチッてから慌てて電動ウィンチ付きルーフキャリア を4日掛りで試行錯誤しながら製作したが、一発で上げられたので我ながら感動した。

強烈な横風のなか瀬戸大橋も無事通過できたので、キャリアの強度は大丈夫のようだ。しかし今までに経験したことがないほど右に左に煽られてとても緊張した。
2泊目はしまなみ海道四国側の大角鼻公園内キャンプ場でP泊。
無料で給水も可能で高台から瀬戸内の島々を睥睨する景色も素晴らしいのだが、とにかく風が強くて一晩中車体は揺れまくり外洋のヨットのなかにでもいるような感じ。
当然寝不足のうえ3日目の最高気温は5度という寒さ。四国は南国だと思っていたが雪までちらついてくる。四万十川で初カヌー 川下りを企んでいたのだが、もともと準備不足のうえこの低温と強風ではさすがにあきらめて、1日早く帰宅の途につくことにした。
カヌー はいろいろあるのに何故このSPOOKアルミカヌー なのか。

カヌー はパドルで漕ぐものだが、実は私はあまり漕ぐ気がない。船外機を取り付けてあちこちの川や海岸をツーリングしたいと思っている。

バイクで林道をツーリングするのがライフワークだが、10年程かけて全国ほとんどのロングダートは走破し、同じ林道に繰り返し行ってもみるが最近はあきらかに飽きを感じていた。林道に行っても気分が昂ぶらない。モトクロスで怪我をしたときもそうだったが、こんな時集中力がなく怪我や事故を起こすものだ。あーしたい、こーしたいと考えたり改善に向けて作業しているときは苦しいが最も楽しい時だ。ある程度成し遂げてしまうと来るこういう時期は何か別のことをして充電する必要がある。

もう新たに開拓する林道がない、舗装路はロマンを感じない。道、みち、青い道、水路、川、海岸があるじゃないか。水上バイク・・・ロデオに積めない、カヌー なら行ける!自転車よりバイクが好きな私は当然手漕ぎではなく船外機を付けよう。

川や海にロマンを感じることができるか、山遊びの経験しかない私にはやってみなければわからない。ロマンより苦痛や恐怖が大きくて辞めるかもしれない。

幸い7年ほど前から3m以下の船体で2馬力以下のエンジン船は免許船検不要になったことから、初期投資が少なくて済む。
ボートトレーラーは維持費がかかるし高速1000円が使えないのでカートップ限定となると、FRP艇は重すぎるのでゴムボかアルミのジョンかVハルとなるが、ゴムボは準備撤収が面倒で速度も遅い、ジョンでは海に行けない、Vハルはリベット艇の最軽量でも40kgオーバー。
カヌー (カヤック)は軽量だが普通船外機を付けるようにはできていない。長さも4m以上あるのが普通で、無理やり取り付けたとしても違法となる。3mで船尾に船外機取付用のトランザムがあるというのはカヌー としては相当変わり種だが、ソレックスのスポーツパル というのがあるのが分かった。重量19kgと軽さも申し分ないが、軽い分アルミも薄いらしく、岩などにぶつけたときの耐久性が心配だ。さらに検索していくと、過去にポパイでも重量24kgの似たようなカヌー を取り扱っていたことがあることがわかり、どちらかの中古が出たときに買おうと思っていた。
この重さならカートップでも危険が少ないばかりでなく、スロープなどなくてもどこからでも出艇、上陸できる気楽さがあり漁港でトラブルになる可能性も少ない。2馬力ではプレーニング状態にはならないから船体幅は細い方が速度が速いと思う。その分安定性はないが、釣りをするわけでも2人乗るわけでもない。このまま海にでるのは沈しにいくようなものだからいずれ密閉デッキを作成したい。それでも長さがないから相当不安定な乗り物になりそうだが。アルミパイプでマストを製作してセーリングカヌー という方向性もあるし、まぁ当分はいろいろ遊べそうだ。

広島は遠いし寒いしやはり冬キャンプは軟弱な私には合ってないようだ。ロデオの中はFFヒーターと温水ボイラーで快適なんだけど、外で遊べないのでは意味がない。それでも交通費含め10万円で目当てのカヌー がゲットできたのは良かった。

ロデオは購入初シーズンで1万キロちょい走ったが絶好調。燃費も10キロを切ることがなく、装備品も全て快適に作動している。走行3万キロはメーター戻しだろうと思っていたが、本物かもしれない。だとしたらすごい当たりだ。来年もよろしく頼む。


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