池の周りをぐるっと取り囲むように畑づくり。水遣りが簡単だし、池には大量のおたまじゃくしがいるので、蛙になって畑の害虫を食べてくれるかも。去年はあかガエルしか見かけなかったけれど、今年は4月の初めにはもうアマガエルを見かけた。散水すると寄ってきてうれしそうにゲコゲコ鳴くのが愛らしい。

 昨年修理した井戸は一冬超えても一度もトラブルことなく絶好調。生活用水はもちろん畑でも散水に使っている。一時間回しっぱなしでも電気代5円程度、水道ではこう贅沢にはいかない。まさにロデオベースの生命の泉 だ。

 山の新緑を眺めながら鍬を振るうのは最高の運動で、農耕民族日本人が受け継いできた遺伝子が反応するのか、頭も体も温かく満たされる。生きることに直結する作業にはストレートに力が湧いてくる。
 昨年トマトとキュウリを1坪畑で育て、農のおもしろさに気づいたので、今年は3坪ほどに広げ、さらに多品種に挑戦することにした。 山の中なので猪などの獣害、害虫の被害も予想される中で有機無農薬でどこまでやれるか、品種によって向き不向きもあると思うので、失敗覚悟でいろいろ試してみたい。

 トマトとキュウリに加えて茄子、ピーマン、小松菜、ホウレンソウ、長ネギ、春菊にチャレンジ。根菜は猪対策が必要なので残念ながらパス。ナイス蚊っちと100均ガーデンライトを改造し組み合わせてワンコイン太陽光電気柵を構想中。常時電流は流せないから猪が銅線に触れた時だけ高圧を発生させるようマグネットスイッチを組み合わせていろいろ試してみたい。お客さんはしょっちゅう来訪するから実験には事欠かない。
 初めてマルチを使ってみた。
 
 雑草の抑制、地温保持、乾燥防止に効果ありとのことだけど、どれほどの違いがあるのか試してみたい。

 しかしごみ袋を広げているみたいで見た目がよくない。庭先で使うのは少々難あり。
 土地の端の沢沿いにあまり日の当たらない場所があるので、我が家のシンボルツリーのブナが敷地内にばら撒いた大量の落ち葉を集めて堆肥を作る。ロデオのカセットトイレ の内容ブツを落ち葉の上に撒いて天然コンポストにしている。さて、うまく発酵するかな。


 種はダイソーで2袋100円でいろんな種類が売っていて、家庭菜園には十分すぎる量が入っている.。一部を3月からアパートで育苗してみたのだけど、トラックで1時間運んだらごらんのとおりしおれてしまった。冬でも20度を下回ることがない床暖房 完備のアパートは育苗に最高と思って部屋中に植えておいたのだけど、逆に軟弱にしすぎたようだ。まさに温室育ち。もしかして俺も床暖房 で軟弱になっているのか、いやいや成長期はとっくに過ぎてるので問題ないだろう?でも最近の子は恵まれすぎてこの苗のようになってしまっているのかも。たくましく育てるならやはり山暮らしでしょう?
  ロデオベースで2度目の春を迎えた。



 予定ではもう移住しているはずだったけれど、森の谷間にある家なので冬は特に日照時間が短く朝は10時過ぎないと敷地に日が差さず、室温が外より寒いうえに水回りがすぐに凍り、一度凍った配管は春になるまで解けることがない。

 これは周到に冬対策をしなければ住めない、と覚悟を決め、長期戦で臨むことにした。

 逆に5月から10月位までの季節は最高で、沢からの冷たい風でエアコン要らず。夏は主にこちらに住み、冬はアパートで暮らす。早春晩秋は週末のみロデオで暖を取り少しずつ暮らしのインフラを整備していく1年になりそうだ。
 これから11月まで、ロデオベースは最高の自然の移ろいを満喫させてくれる。

 問題は12月から3月までなんだけど、短いようで長いこの4か月間のためにアパートを借りているようなもので、そこに年間80万円近いコストが掛かるのはあまりにももったいない。二重生活で余計な気苦労も増えるし、はやくすっきりさせたいのだけど、一番の懸念は水回りの凍結だ。

 25坪の平屋とはいえ、全部屋暖房するには広すぎるため冬はロデオ中心に生活して効率的に暖を取ればいいのだけれど、水が凍結したから仕事休みますとは言えないのが賃奴隷の悲しいところ。日中でも気温が低い日は凍結の恐れがあるけれど、水流しっぱなしのまま外出するのも不安。井戸ポンプが回りっぱなしになって壊れたら一貫の終わりだし。アパート引き払ったら仕事にならない、仕事を辞めたら建築資材の購入もままならない。うーん、どうしたものか。
 ロデオキャンピングカーのパンクベットは最高の寝こごちだ。

 最近のキャンピングカーは窓なしパンクが多いけれど、ここだけはコストカットして欲しくないところだ。夜はブナの梢越しに星を見上げながら眠れるし、夏も両サイドの網戸付小窓を沢の風が通り涼しく熟睡できる。朝に小鳥の囀りを聴きまどろみながら花を眺めているうちに二度寝してしまうのが難点。

 こういう細かい造りこみがロデオは随所にあり素晴らしく思う。多少古くても50万円程度からこんな素晴らしい車が買えるのだからアフターバブル時代も悪くない。最近スモールハウスといって3坪小屋をセルフビルドする人がいるようだけど、過走行や走行不能のロデオを安く買い抹消登録して住んだほうがずっと快適だと思う。オールFRP一体ボディで水漏れ腐りの心配なく断熱性も高いし、網戸や換気扇や水回りなど、細かいところを一から自作するのは小屋組みより大変だしお金も思ったよりかかる。究極の免震構造だし壁まで屋根みたいなもんだから台風もへっちゃら。展望は最高だけど急傾斜地とか安い土地買って住み、やばい時だけ家ごと移動するという手もアリ。
 先週初の固定資産税を納税した。29,400円也。

 土地が4,200円で家屋が25,200円。25坪の質素な平屋なんだからもっと安くてもいいような気がするけれど、オール無垢材の家なので評価が高めのようだ。それでもこの程度で国家権力を使って所有権を主張できるのは素晴らしいことだ。アパートなんて年間80万円も払ったところでしょせん借り物、どっちかといえば取り締まられる側だ。土地の所有権を初めて所持してわかったことだけど、これは強大な権利だ。何者も踏み込ませないし万一踏み込もうとするなら警察という暴力を使役できる。バカっぽいけどあえて言えば我が王国なのだ。親許や貸家、抵当権付きでは絶対に味わえない自由と独立がある。


 社会に揉まれて十余年、やっと心の底から安眠できた気がする。



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