きれいな水が自分の土地から湧き出る。これほどの安堵感は他にない。

水と安全はタダといわれたこの国においても、ヒトが生きていく上で最も大切なものを本能が理解した。


これからの人生水道代が無料(月4000円*12月*40年=192万円!これだけで物件の購入価格の元が取れる)、井戸水クーラー にすれば電気の基本料金をワンランク下げられるので夏の電気代と合わせてさらに年2万円は浮くし体にも優しい。モータープール での給水や洗車に経費が掛からないので利用料金を安く設定することができる。

そんな金銭的なことよりも、何もない地面から清水が出てくるということに単純に感動し、意味もなく顔を洗ってゴクゴク飲んで歓喜。上流域に車の入れる土地はないので、汚染の心配はまずない。
井戸ポンプは初めから物件に設置されていたけれど、モーターは軽やかに回るものの10分経っても水は出なかった。枯れていて掘り直さなくてはダメなのかとも思ったけれど、いろいろ試行錯誤してタンクの出口側の水道管を外し栓をして運転したところ3分ほどで水が出てきた。やった!この井戸は生きている!

しばらく使用していなかったので家屋内の水道配管が全て空になっていて、各蛇口を閉めただけでは井戸ポンプのタンクが負圧にならず吸い上げなかったようだ。今後同様の事態に備え吐出側の水道管を切断してバルブを新設した。
しかし蛇口から水は間欠的に僅かしか出ず、ポンプから結構な水が漏れ出ている。
とにかく手当たり次第ねじを外し分解していくと、プロペラの奥にあるパッキンが破れているようだ。
取り出してみると完全に破れていた。

ネットで調べてみると写真の部品をひとまとめにメカニカルシールというそうだ。車のウォーターポンプと一緒でモーターとインペラ(プロペラ)を遮断する重要部品。早速寺田ポンプ メカニカルシールで検索したけれどなかなか部品を小売りしているところにhitしない。井戸ポンプ自体マイナー商品だし、その部品となると通販は無理かとあきらめかけたけれどなんとか扱っているところ を見つけ、対応も素早く週末に間に合った。

ネットは本当に素晴らしい。初めてのことでも部品代3000円で解決してしまった。一昔前なら無知に付け込む業者のいいカモだったろう。ポンプの構造も理解したので今後の保守管理もバッチリ。なんでも自分で解決する必要がある山暮らしはネット無しで成り立たない。逆にネットさえあればどんな山中でも通販であらゆる物が安く手に入るので市街地に住む必要がない。この10年で可能性は大きく広がった。貴重な情報を公開してくれる先人のおかげなので、自分もできる限り経験を公開していきたい。
上水が確保できたら忘れちゃならない下水の点検。

浄化槽を開けて中を見てみる。第1槽、第2槽、第3槽と順に沈殿濾過していく過程がよくわかった。事前にネット勉強していたとおりで、実物を見ると思ったより単純な構造。汚泥の蓄積や害虫の発生などはなく、今後もよく清掃してベストコンディションを保っていきたい。
ブロアの動作も問題ない。

汚泥も柄杓で汲み取って落ち葉にすき込み畑に撒いて堆肥化したいところだけれど、厳密にいうと廃棄物処理法違反なんだろうな。できるだけ自立した山暮らしを目指したいけれど、上水はともかく下水は多少業者の手を借りなければならないだろう。
競売の公告開始は昨年の12月だったので冬枯れの景色しか見ることができないまま落札したのだけれど、週ごとに緑が増え予想以上に素晴らしい環境になってきた。

多種多様な草木が植えられていて、色とりどりの花や葉を見ているだけで楽しい。
家の南側、リビングの大窓正面に見える雑木林の新緑が目に眩しい。

ミズナラ、クヌギ、桜、松、竹、梅などバラエティに富んでいるので何種類もの野鳥が住み着き常に賑やかで、猪か狸か大型ほ乳類が姿は見せないけれどガサガサ動いている。
敷地の中央に2m四方ほどの小さな池があって、敷地端を流れる沢から水を配管しているので冬でも干上がることなく小さな鯉までいた。かえるの卵やオタマジャクシがいっぱいいて、敷地を歩くと親指ほどの小ガエルがぴょんぴょん跳ねる。

夏が近づけばこいつらの大合唱が聞けそうだ。

かえるはハエや蚊を食べてくれるし、窓にへばりついたかえるの腹や吸盤は見ていておもしろい。泥の中にいるヤゴは夏になればトンボに羽化してやはり害虫を退治してくれる。山暮らしでの池は生活必需品なのだ。

水生昆虫たちを観察するのも楽しく、ビオトープの環境を整えていきたい。
いままでの野宿やP泊の経験からも、全面芝生など単一又は種類の乏しい植生環境にしてしまうと特定種のみが大量発生したり害虫が増えやすいように感じる。そうなると都市公園のように殺虫剤や農薬に頼ることになり、野鳥も寄りつかない見た目だけの死んだ空間となってしまう。

家屋を維持するためには完全に自然のままに、というわけにはいかないけれど、種の多様性を確保しうまくバランスを補う方向へ手を加えていけたらと思う。

昨秋から溜まったままになっている落ち葉や枯れ草をアメリカンレーキで集めて畑に撒いた。

この時期の草なら一緒に刈り取れるので一石二鳥だ。

登山やスキー、モトクロスやバドミントンなど、いろんなスポーツをやってきたけれど、野鳥の囀りをBGMに農具を振るうのが最も楽しいスポーツかもしれない。農作業の経験などないのに心地よい疲れで変な筋肉痛などにもならないのはこの動きが遺伝子レベルで組み込まれているからか。弥生時代から百世代以上にわたって受け継がれているものを確かに感じた。とりあえず、やんごとなき家系ではないようだ。
現代の過酷な変化についていけず先祖返りしてしまった落ちこぼれだけど、ヒトの幸福は変化することだけではないでしょう。変化が進歩であったかどうかは後世に判断を委ねる他にない。

もう完全にこの土地に惚れ込んでしまった。取り憑いた、といっていいかもしれない。

週末が待ち遠しくて仕方が無い、早くアパートを引き払って住みたい、てか仕事も金もいらないから日がな土いじりをして過ごしたい。しかし現実は過酷だ。風呂 を付けないと住めないし、床下 を見ると断熱材もない板一枚キリだし開放的すぎるロフトや窓を何とかしないと凍死してしまう。造園のためにトラックやユンボ を購入したいし、駐車場や整備場にコンクリ打ちたいのでまだまだ稼がなければならない。
バイクで林道、カヌーで川海を彷徨ったのも、市街地での快適だけど不自然な暮らしの代償行為でしかなかったようだ。


キャンピングカーの旅は一時休止することになりそう。


ロデオは当初電気も水もなく、いまだに風呂もない物件のリフォーム基地として大活躍中だけれど、ロデオのページにこのような記事を書き続けるのもテーマから外れているので、山暮らしとその生活基盤としてのモータープール事業 をテーマにした別ページを近々立ち上げたい(立ち上げました )。日々の生活、趣味、事業と内容が多岐にわたるため、すぐに必要な情報にHitするようタグやサイトマップを工夫するとともに、こちらも有益な情報やアイディアを吸収させていただいたり、未来のお客様と信頼関係を築くためにコメント機能を実装して広く意見を募集したい。

無料のブログ作成サービスも多数あるけれど、写真を主体にしたページにしたいので、よけいな広告やレイアウトの制限がないASPによる自力構築にこだわりたい。C#やSQLの知識はあるものの、最近の便利なWebコントロールの膨大なメソッドやプロパティを覚えるのがつらい。温故知新の山暮らしを目指し、日々勉強あるのみ!


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