|
走行距離47000kmを超えエンジン、車体ともに絶好調なのだが、1時間以上高速連続運転するとバッテリーが上がり、電力不足からプラグが間引き点火になって回転が上がらず走行不能に陥るようになった。
キーをOFFにして10分程放置するとバッテリーが少し回復するので、なんとかゆっくり帰宅することはできたが、このままではいつか出先でバイクを乗り捨てて電車で帰宅する羽目になる。最初はバッテリーがダメなのかと思い交換したが症状は変わらず。あとはレギュレターかジェネレーターの不良だがエンジンを掛けた状態でバッテリー端子の電圧を測定してみるとアイドリングで13.2Vと微妙な数値(規定は14V)。エンジン回転を上げると電圧は反比例に下がっていき、高回転では12V前後。プラグの点火電力に発電電力が追い付いていないと判断。
早速ジェネレーターを注文しようとすると2万円以上する。ほぼ1年分のガソリン代に匹敵する金額を超実用バイクのマジェスティに掛ける気がしない。レギュレターなら1万円程なのでレギュレターの故障を期待したが、レギュレターは整流降圧器なのでこの故障なら普通もっと極端な電圧値が出るだろう。なんとか手はないか、Webを検索していると台湾から直接ヤフオクに出品しているところで買えば送料込13000円位、それでも高いなー。
どちらにしろ自分で交換するつもりだし、ダメだったら2度手間になるがとりあえず分解してみることにした。
|
|
マフラーとブローバイガス還元ホース?を外し、3本の1番プラスネジで留まっているカバーを外すとすぐにフライホイールが見える。
ストレイトで1500円位だったユニバーサルホルダでフライホイールを回り止めし、19mmのソケットでセンターボルトを外す。固く締まっているのでユニバーサルホルダを適当なバーで固定しスピンナハンドルに手刀を2、3発食らわす。こういうボルトはじわじわ力を加えても緩まないので一瞬のインパクトで外す。
次に1枚目の写真のようにフライホイールプーラー(これもストレイトの汎用品1500円位)でフライホイールをクランクシャフトから引き抜く。これはかなり固く圧入されていて、最初はプーラーに付属のシャフトで回そうとしたがビクともしないのでメガネレンチで回すが安物プーラーをネジ切りそう。ネジにたっぷりグリスを付けてネジ切るなよ、と思いを込めて手刀をメガネレンチの端に一発必中、パキッといい音がしてフライホイールが外れた。やはりインパクトが大事、圧入された部品が抜けるパキッ音はいつ聴いてもいいもんだ。
|
|
フライホイールの内側にはたっぷりと鉄粉が付いていた。ジェネレーターコイルとの接触痕も認められる。
外側の突起には錆がかなり浮いていたので紙やすりで磨く。 |
|
パーツクリーナーで拭きとりエアガンで飛ばすと、あらこんなに綺麗だったのね。磁石なのでうっかり地面におくと元の木阿弥に・・・。
|
|
ジェネレーターは3本のプラスネジでクランクケースに留まっているだけなので簡単に外せる。
ジェネレーターの真上にあるパーツ、フライホイールの突起にぎりぎり接触しない位置で鉄心が出ている。磁気素子かなにかでクランク角センサーと思われる。この鉄心も錆が出ていたので紙ヤスリで磨いておいた。
|
|
|
|
ジェネレーターはほとんど汚れていなかったし、断線したり焼けたりしている場所もなかったが、よく観察するとコイルのコア(鉄芯)が完全にむき出しになっているところと、微妙に絶縁ビニール(ゴム?)が残っているところがあった。
フライホイールに溜まった鉄粉のせいでクリアランスが無くなり削れてしまったと思われる。削れ方が場所によって違うのは台湾クオリティ?まぁもともと精度が出る留め方ではないので、ジェネレーターとフライホイールが完全に同心円でなくても設計許容内なのでしょう。電流が流れているのはコイルの方なので、コアとフライホイールが触れても漏電するわけではないと思うけれど、磁界が乱れるのか?昔理科でフレミングの法則とかやったけれど・・よくわからない。しかし元々絶縁されているところが剥き出しなのはいいことではないので、シリコンを薄く塗っておいた。遠心力で剥がれてしまうかもしれないけれど、とりあえずは効果あり? |