市街地は暑すぎる。
 
 エアコン室外機のモーター音と排熱、アスファルトの照り返しに自動車の熱気。まるで死骸地ではないか。エアコンなきゃとても寝付けないが、あの偽冷気はどうしても体が受け付けず、朝起きると怠くてしょうがない。こんなところに居られるか!

 というわけでマジェスティ125 以下一族郎党引き連れて、とうとうロデオベースで生活することにしました。今ままでは週末別荘で仕事のある平日は生活設備が整ったアパートで暮らしていたけれど、不便さより涼しさを取ることにした。
 周りが土と森しかないので、涼しいのなんの。市街地から10km、標高差は数十mなのに体感温度は全然違う。

 
 クーラーも扇風機も必要なし。熟睡して体調完璧。さらに昼下がりはブナの木陰でハンモック吊るして読書&昼寝が正しい夏の過ごし方。
 こつこつと進めている工房造り。

 内装や家具作りなどやりたいことは山ほどある。
 地形をそのまま利用するものぐさ工法。
 足場を組むのも面倒なので脚立とアルミブリッジで即席足場を作り、1枚550円のポリカ波板を20枚張っていく。3.6M×6Mの資材置き場&作業スペースだ。
 
 柱は3cm×4cm、梁は2cm×3cm程の安い桟木を使用している。栃木県は台風の直撃も積雪もないうえ、谷間の林に囲まれた土地なので強風が吹くことがない。4mで250円とかなので建築費は2万円位か。昨冬のような50年に一度レベルの大雪でも降らないかぎり、この土地ではこれで十分。
 
 現在の工房は雑然としていてとても使いずらい。
 アパートからの脱出が遅々として進まないのはガレージ 機能が不完全であることが大きい。集中して車バイクの整備や家具製作に取り組むには質量ともに不足している。地面をコンクリ打ちすべく小型ミキサーとランマーは入手したけれど、まずは雑然とした機械や資材の置場を確保しなければ取りかかれない。

 工房が完成すれば一気に生活インフラを構築して移住できるんだけれど、週末のみで農作業も並行してとなるとなかなか進まない。別荘気分でのんびりしてしまう時も結構あるし。

 最近ヤフオクで7000円程度で入手した高儀のスライドマルノコが最高にいい。
 最初は丸ノコを買うつもりだったけれど、合板は林の中の土地では湿気てカビやすいので杉板を使うつもりだから幅30cm切れればいい。ならば丸ノコ定規よりスライドの方が正確に素早く切れる。後は杉荒板の仕上げ用に電動カンナが欲しい。
 2坪改め10坪農園のほうは、10種類程度植えてみたけど、きゅうりだけは食いきれない勢い。トマトはまあまあ。ピーマン、なすは成長遅く、小松菜、ほうれんそうは青虫の食い扶持の方が多い。ねぎはなぜかちっとも育たない。土が合っていないのか。

 西に開けた谷間なので、植物にとって大切な午前の日照が短く、どうも成長が遅いようだ。

 朝日が当たらないのはこの土地の最大の欠点で、植物はもちろん人間にとっても最も覚醒すべき午前中の体調が今一つ。西日は強烈に当たるんだけど。バカボンのパパの歌を歌ってみても、私が生きてるうちに西から日が昇ることはなさそうだ。
 予想はしていた獣害。幸い猪の絨毯爆撃には当たっていないけれど、鹿か猿か?

 かぼちゃ、枝豆、レタスなどは一夜で壊滅。
 こら、煙突を揺らすな。

 
 まあペットと思えばかわいげもあるが、毎週草取りして水やりした労力を考えると高価すぎるペットフードだ。

 ダイソーで調達した園芸支柱とナイロンネットで畑スペースをぐるりと取り囲んでみた。本気で体当たりされれば倒壊するだろうけど、いやがらせ程度にはなっているらしい、とりあえず食害は止んだ。これでもダメなら構造を強固にするには金が掛かるので電気柵を検討しなければ。
 家庭菜園なんて引っ越しが終わってからじっくりやればいい、と思うかもしれないけれど、生き物を育てるのは最高に面白いし、将来的に半農半エンジニアリングで低コスト生活していきたいので、農の経験を早めに積んでおきたい。季節の野菜は年1回しかできないのだから、後40回できるかどうかだ。1回でも無駄にはしたくない。

 2回目の今年は去年初めてのトマトときゅうりが直播ほったらかしで結構育ったもんだから、育苗をおろそかにして失敗してしまった。3月にアパート室内で育て4月に移植した苗は早すぎて全滅。直播したナスやピーマンは発芽温度が高いのでちっとも発芽しない。6月過ぎてから少しだけ発芽したけど、雑草に埋もれてどこに播いたのかすら忘れてしまい、間違って一緒にムシったりしてしまった。育苗は少しずつ室温を下げて移植前に寒さに慣らす必要があること、直播は草ムシリが大変すぎることを学んだ。他にもやってみて初めて分かったことは無数にある。手前の茎だけになった小松菜が悲しい。毎週何十匹も捕殺したけどまるで追いつかない。ちょっとは収穫できたけど青虫のために育てたようなもん。
 カインズホームのリチウムイオン充電式草刈機(グラストリマー)、これのおかげで畑や庭の草管理がとても楽になった。

 エンジン式草刈機とパワーは比較にならないけれど、混合ガソリンを作って長靴履いて気合い入れないと危険。こいつは片手で軽々ぶん回せてサンダル履きのままちょっと空いた時間にできる。

 草刈りは小まめにやらないとあっという間に伸びて面倒になる。エンジン式だとつい億劫になり次週にまとめて、なんて先延ばしにするとどんどん伸びて余計億劫になる。刈るスピードは遅くとも地面スレスレまで刈れコントロールしやすいので畑の畝間でも使える。笹とか大きな夏草ではモーターが負けてしまうけど、梅雨時期までの柔らかい草なら問題ない。

 リチウムイオンバッテリーはe-cycleシリーズの電動ドライバやブロアなどにも共通で利用できる。さらにmonotaroの充電工具シリーズとぴったりサイズで流用可。写真の青いドリルドライバはmonotaroだけど、バッテリーはカインズが安い。カインズは園芸、monotaroは切削工具が充実しているので低予算で多様な組み合わせが可能だ。どちらもほぼ毎週使用する山暮らしになくてはならない道具だ。
 物件取得後1年半、こいつで毎週通いながらこつこつ手を入れ、やっと住むところまで漕ぎ着けた。冬対策はまだまだだけど、ローマは1日にして成らず。理想郷造りは日々進行中、続きはこちらへどうぞ。
  
  
   


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