待ちに待った春。

今年の初出動はモータープール計画地 、栃木県足利市の山中にある自己所有地へ。
家は空き家状態で電気もガスもまだ開栓していないし、上下水は出るかどうかわからない井戸と中がどうなっているかわからない浄化槽。風呂はなぜか初めから無いし家財道具もなく生活ができる状態ではない。


アパートから45分、日帰りで通えない距離ではないけれど、往復する時間、労力や燃料費を考えると、しばらくはロデオで寝泊りしながらリフォームをする週末になりそうだ。
自分の土地でキャンプをするのも妙な話だけど、ロケーションは並のキャンプ場以上。市街地では味わえない満天の星空と深い静寂、さまざまな野鳥の美しいさえずりで目覚める。アパートでは深夜でも車の音が絶えず、朝はからすの鳴き声がいいところだからまるで別世界。

早くリフォームを終えて移住したい気ばかり早やるけれど、敷地内を散歩してみて改めて300坪って広すぎる、自分の手に負えるのか不安になってきた。買ったときは山に比べて自分の土地は小さいな、などと思っていたけれど、市街地ならお屋敷の面積、田舎だからってスケールが変わるわけじゃない。

こんな広い土地の草刈り誰がやるんだ?あ。俺か。
夏が怖い・・・早くランマで転圧して砂利でも入れないと草刈りだけで週末が終わりそうだ。

とりあえずロデオの発電機 で電気を確保して掃除機をかけてから床を雑巾がけ。

こんな山中で1年半も空き家だった割には、虫や埃の入り込みはほとんどなかったけれど、わずか25坪とはいえ一戸建てはやはり広い。ロフトを入れるとアパートの倍以上あるので掃除だけで疲労困憊してしまった。

これからユニットバスを施工しなくてはならないし、コンセントや照明も不足しているし、洗濯機の給排水もなく一般家屋とはちょっと造りが違う。やることが一杯あって頭痛がしてきた。
なんといっても水が無くては話にならない。

上水道は来ていなくて隣家から100mはあるので水道を引いたら家土地の値段より費用がかかるだろう。
少なくとも昭和初期から宅地であったこと、敷地内を沢が流れ渇水期の冬でも水が流れていること、水源の裏山には家屋や人工物が一切ないことから、井戸だけでもやっていけるだろうと踏んでこの土地を購入した。

祈るような気持ちでなぜかブルーシートがかかっていた井戸ポンプを点検してみると、予想外に真新しくしっかりした施工にこれはいけるかも?とりあえずストレーナーの清掃や配線抵抗値を測定してから発電機 に接続、ポンプは快調に回り始めるも水を吸い込む気配はなし。呼び水タンクに水を入れたりいろいろやってみたけれど、井戸は初めてでよくわからない。ネットで情報を集めて再チャレンジするしかないけれど、ロデオには水タンク が400リットルあるとはいえ水が確保できなければ先に進めない。

原野を買って家をセルフビルドし、造成から外構までほとんど自力でやってしまう人もいるけれど、それに比べたらなんてことはないはず。それでも自分で考えたことを自力で実行し積み上げていくってのはすごい重圧だ。狭いアパートに帰って他人に全て用意された快適な空間にホッとしてしまったのが正直なところ。

思えば長い間学校そして会社へ通い自分なりに努力してきたつもりだったけれど、他人の考えに従ってきただけで何一つ自分自身で考えたことはないような気がする。キャンピングカーで自由の旅を気取ってきたけれど、しょせんは賃労働者という現実の一時のごまかしに過ぎないのではないか。2年前 の今日、システムに従うことしか考えなかった自分の何かが変わった。労せず金で得たものは束の間の喜びの後瞬く間に消え、長い禁断症状に苦しむことはだいぶ前から気付いている。他人の労働によって成り立つ生活もしかり。これからも快適な奴隷を続けるか、それとも苦痛を友に生きるか、


自由人に!俺はなる!







これからの時代は、快適な奴隷、というのも難しいかもしれない・・・。




  
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