シーズンオフにカヌーキャリア製作クラッチM/SのOH洗濯機、乾燥機車載 など来シーズンを悔なく遊び抜くために毎週休みなく作業を進めてきたが、いい加減遊びたくなってきたところに地震 でストレスMAXとなり、新緑の4月まで待ち切れず寒くて後悔するのを覚悟で3月最終週に紀伊半島へ向かった。
高速1000円で一気に大内山ICまで、そこから快適な国道を1時間弱走ったところにある高塚公園展望台付近の駐車場でP泊。

数年前は紀伊半島はGWなど一週間程度の日程で遊ぶところだったが、土日で気軽に行けるようになるなんて夢にも思っていなかった。江戸時代は熊野詣は一生に一度の庶民の夢だったそうな。
3月の海で遊ぶ酔狂もいないので、一番良い場所を独り占め。国道や集落からかなり離れているので静寂そのものだしトイレや水もありP泊地としては最高。
目の前に見えるのが鈴島という周囲10km程度の無人島。
いきなり海は怖いので、デビュー戦はここから1時間程度山に入り瀞峡で有名な熊野川支流の北山川を予定していた。観光ジェット船が運航していて常に航路メンテナンスが入るので、浅瀬や障害物がなく安全で水質や景色も抜群と聞いていたからだ。

しかしベタ凪のこの美しい景観を見て、ここでいっか、と軽いノリでいきなり海デビューになってしまった。
デビュー戦の準備は整った。ライフジャケットとウェーダーで完全防備し、更に安物ゴムボートを3枚におろして自作したサイドフロートで万一の転覆も未然に防止。
浮いた!エンジン掛った!スクリュー回った!進んだ!

全てが初めてのことなのでいちいち感動しまくり。
2馬力でも手漕ぎとは次元の違うスピード。

船外機は新品なのでまだならし運転でアクセル1/3しか開けていないが、ぐんぐん岸から離れていく。ロデオの屋根だけが防波堤越しにあんなに小さく見える。
あまり岸から離れると怖いので、とりあえず隣の浜辺へ上陸してみよう。
道路にも接していない無人の綺麗な浜に上陸。

船体重量は船外機、サイドフロート併せても40kg程度なので、簡単に引きずり上げることができた。これならどこへでも上陸が可能だ。気分は海賊船のキャプテン!

船外機の運動性能は把握したので、次はパドル(オール)の使い方を覚えなくては、いざという時に困る。

公園の池の貸しボートには乗ったことがあるが、シングルパドルの使い方はまるで解らない。片方ばかり漕ぐからどうしてもくるくる回ってしまう。

しばらくくるくる回っていたが、そのうちコツを掴んできたので、いきなりですが目の前にある鈴島まで1.5kmの海峡横断にチャレンジ。
最初は楽勝で漕いでいたが、海峡中央に近付くにつれ風が強くなり、突風が吹くと簡単に90度位向きが変わってしまうのでそんな時はすばやくパドルを入れなくてはならない。また、潮の流れが強く、右へ右へ流されていくうちにいつの間にかあさっての方向に見えていた定置網のブイや岩礁に引っかかったり、難航?を極めた。

やはり海は頭で考えるほど甘くない、波や潮や風の強さはこれから体で覚えなくては。
1時間程漕いだだろうか、やっとこさ無人島鈴島への上陸を果たす。

気分はもうロビンソンクルーソー!
島の浜辺は結構岩がごろごろしていたが、船体が軽く喫水が浅いので難なく上陸。

島の植生は常緑樹の楠が優勢で、ブナの緑のような美しさはないものの、関東の枯山に比べれば3月の景色としては十分心なごむものだった。はるばる紀伊半島まで来てよかった。しばらく島を散策。
船外機で10分くらいであっという間に帰還、やはり内燃機関の力は偉大だ。

人生初の無人島上陸、手漕海峡横断を果たし大満足のカヌー デビューとなった。

これから全国の川や海にどんどん漕ぎ出て行こう。
中間目標としては知床半島一周、利尻礼文渡島、そして最終目標は5年計画で南西諸島巡り。



トップへ戻る