雨の中野グ○するのは嫌だ!
全国の林道を求めて車にバイクを積んで車中泊を繰り返していた時代の叫び。
車の中にソファーベット、水道設備、発電機、電子レンジ、サブバッテリー、冷蔵庫など、考えられる全ての宿泊設備を詰め込んではいたが、この叫びはエスティマのサイズではどうしても解決できなかった。1~2泊なら気にならないが、一週間程度の旅程となるとそのストレスは相当なもの。
私は山が好き、というよりも森が好きなんだと思う。アルプスなどの岩山にはあまり興味が湧かないし、大雪山のお花畑なども綺麗とは思うけれどそれだけだ。ブナの原生林などに入ると心から落ち着きリラックスできる。木の葉のざわめきを聴きながら寝入るときはまさに至福のとき。
ところで日本の国土の8割は森林であり、高山帯にこだわらない私にとって癒しの空間はどこにでもある、といいたいが、針葉樹林は嫌いではないけれど好みではない。日本の林業は衰退したとはいえかなり山奥まで植林されており、歩いて森林を巡っていると針葉樹林帯を歩いている時間のほうがはるかに長いのが普通だ。オフロードバイクは針葉樹林と広葉樹林のパッチワークのような日本の森林のうち気に入らないところはすっとばしてお気に入りの森に長時間居ることができる素晴らしい道具だ。針葉樹林帯ではかつてのモトクロステクニックを確かめるように走る。スピードのスリルを楽しむというよりはより正確なライン取りやアクセルワークが決まったときに喜びが走る。当然景色を見ている余裕はないが、これはこれで別種の楽しみ。すばらしい枝ぶりの古木や、木々の極限なまでの生存競争の結果としての究極な美的バランスが成り立つ原生林(極相林)では、ギアは1速か2速、下りならエンジン停止して惰性で走行し、ヘルメットのシールドを全開にして全身で森の風を感じる。湧き水があれば森の味をいただき、森のなかへか細く消えていくけもの道があればバイクを降りてしばし散策に耽る。

すっかり自分の世界に入ってしまったが、この世界への陶酔を実現するにはキャンピングカーが必要だ。

しかしキャンピングカーというのはどうしてこんなに高価なのか。たかだか6畳間に満たない空間を確保するのに家が建つほどの金が必要だ。最初はリアルタという車に惹かれたが、これで通勤や買い物をするのはかなり厳しいし、軽自動車と2台持つとしても保険料と税金だけでも相当掛かる。カーステレオやナビやETCも2台分となると馬鹿にならない。

そこで最初はカシータ というキャンピングトレーラーをエスティマで牽引していたが、高速道路休日1000円制度が突然開始され、牽引状態だと中型車扱いになるキャンピングトレーラーは対象外となり、他人より何倍も高い高速料金で渋滞に巻き込まれるだけという憤懣やるかたない事態となった。ちょうどその1年程前にガソリンが180円近くまで暴騰したときに対策のため購入した中古の125ccスクーター に屋根やボックスを取り付け通勤や買い物など日常の足としてかなり使えるものになってきたため、自走式キャンピングカーへの乗り換え を検討、キャブオーバー車は乗り心地が悪くてイヤだったが最新キャンパーは高価すぎる(年間30日程度使用するだけで何百万も払う気がしない)のでロデオに決定した。


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