でろでろーん。

どこの廃車置場から拾ってきたんですかー。
このまま土に返した方がいいのでは。
デフとか、穴開いているんじゃないの。
走ったら折れるんじゃ・・・。
架装メーカーのヨコハマモーターセールス施工の部分は一段と錆が酷く、内部まで達しているような感じだ。
このFPR構造体の重量をもろに受けるサブフレームを支えるチャネルがよく変形してご臨終となるらしい。

内部がどうなっているか表面の錆が酷くてわからないので電気ドリルにワイヤーカップを付けてひたすら磨く。

ゲゲッ、腐って穴開いてるし。
まあ、大して重要な部分ではなさそうなので見なかったことにする。

幸い他に穴や亀裂が入っているところはなかった。
とにかく磨く。
電気ドリルのワイヤーカップを当てると勢いよく茶色い粉(錆)が飛び散る。
1分位当て続けて光沢が出てくるまで削るが、完全に金属の地肌が出るまでやったら逆に肉厚が不足してやばそう。
チャネル部分は念入りに削るが形状が複雑で狭くドリルが入らない。

仕方ないのでワイヤーブラシでシコシコするが、手作業ではまるで削れない。

写真に見えてる部分をやるのにたっぷり半日はかかる。
デフケースも念入りに。
チャネルの内側もお忘れなく。
削っているうちに妙な光景に遭遇。
サブフレームが、ない?
なんじゃこりゃ!

給油口から燃料タンクにつながるパイプを通すために、なんとサブフレームを半分以上切断している!
このサブフレームはFPR構造体の重量をもろに受けるんですけど。
これでいいのか!ヨコハマモーターセールス!
錆落とし(ケレン)作業は夜中まで続く。

電気ドリルの金属音と振動、粉塵と寒さで肉体精神共限界状態に達していた。

グリーングリーンの歌のさびのところをケレーンケレーンと替え歌を1日中歌っていた。
頭の中は草原越しに見える海に太陽が降り注ぐ光景 をずっと思い浮かべ、現実から遊離していた。

そんな土日が2ヶ月近く続いた。
何の喜びも報酬もなく、ただただ重い借金を背負った男が休み無く働き続けるかのような日々が永遠に続くかと思われた。
POR-15 という塗料はコップ半分で1500円近くもするが、値段以上に偉大な塗料だった。

錆の上から塗料を塗ってもすぐに内部の錆が進行し、錆ごと塗膜がぼろっと剥がれてしまう。錆転化剤というものもあるが、表面の錆には有効だが、金属内部まで浸透した錆に対しては同じ結果となるらしい。普通塗装の前に錆は完全に除去する必要があるが、今回のように完全除去すれば肉厚が薄くなってしまうような場合は錆を封じ込めてしまうような塗料があった。

旧車のレストアの世界では有名な塗料らしい。

・刷毛塗りができるので狭い部分までしっかり塗れる。
・乾燥後は刷毛目が全く見えないほど均一で美しい仕上がりになる。
・適度に伸び、しかも垂れないので塗りやすい。
・塗膜が厚く、硬い。ハンマーでたたいても剥がれたり欠けたりしない。ジャッキを掛けたらさすがに少し欠けたが。

浮き錆は除去しないと塗装が乗らないが、完全に除去しなくても内部の錆が進行することはないらしい。こればかりは数年たってみないとわからないが、半年経過後の現在錆は出てくる気配も無い。
あんなにボロかったデフがピカピカに。
これで安心して乗ることができる。
115mlは少ないと思ったが、結構伸びるので、3缶程あればロデオの下回りを全て塗ることができるだろう。1日作業分の使い切りと考えるとちょうどいいサイズだ。
ドラムの熱くらいでは全く問題ないようだ。調子に乗ってマフラーも銀色のPOR-15 を買い足して縫ってみた。POR-15ストレイト が安い。ケミカルにある。たまに15パーセント引きなどやっており1100円位で購入できる時も。
POR-15 の耐熱温度は300度程度らしいので微妙だが、美しい仕上がり。
ロデオはタイコ前の部分と最後部の約1mずつが架装メーカーのヨコハマモーターセールスにより継ぎ足し延長されている。いすゞ純正部分はあまり錆びていなかったが延長部分は完全に錆びて数センチの穴が数箇所空いていた。

穴の部分はFPRの補修などで使われるガラスシートを巻いて上からPOR-15 を塗って塞いだ。

これは10か月、1万km走行経過後、100円ショップのタイラップが溶けずに残っているくらいなので、ガラスシート自体は熱を持つものではなくPOR-15 は変色しつつも残っているが、鉄部分は完全にはがれてしまった。
1時間程度のテスト走行では変色はなかったのだが、北海道へ高速道路1000kmを含め2000km走ったらやはり耐熱温度オーバーらしく飴色に変色してしまった。

10か月、1万km走行経過後の写真。

残念ながらマフラー全体が茶色く変色し粉状に剥離が始まってしまった。高圧洗浄機を掛けたら塗料はきれいに取れてしまった。ふりだしに戻る。
このまま放置しておくわけにもいかないので、今度は耐熱塗料で再塗布するためグラインダーでボロボロになったPOR-15 を削り落とす(泣)。
簡単にきれいに取れたのは幸いだったが、錆びは1年前よりわずかながら進行している気がする。
いすゞ純正部分とヨコハマモーターセールスとは全然錆び方が違う。
ホームセンターで598円の煙突用耐熱温度300度の塗料を使用。

自動車には使わないでください、と書いてあるが、刷毛塗りできる耐熱塗料がこれしかなく、スプレー缶では延々5mもマスキングが大変だし狭い部分をきちんと塗ることができないのでやむを得ない選択。

塗料自体は安く1缶でちょうど2度塗りできる量だったが、塗るのは1日仕事なのでまたボロボロに剥がれたらショックは大きい。試しにスクーター のマフラーに塗ってみたところ、半年経過後も良好な塗膜を維持しているので賭けに出ることにした。

スクーター のマフラーには以前にも自動車用の耐熱温度600℃で1缶1200円もするものを塗布したが、1か月で塗膜が剥がれてしまった。塗料には最高温度だけでなくいろいろな要素があるようなので塗ってみなければ善し悪しはわからない。
POR-15 のように塗料どうしが溶着しないので刷毛目が出やすく美しい仕上がりとは言えないが、2度塗りして防錆には十分と思われる塗膜をとりあえず形成することができた。

これで2,3年持ってくれると嬉しいけれど、走行後のレポは後日UPします。
マフラーにはダメダメなPOR-15 だが、フレームに塗ったところは1年1万キロ走行後も剥がれひとつなく美しい塗膜を維持している。こちらは10年くらいは大丈夫そうだ。

この1年洗車は全く実施していないが、下回りの高圧洗浄だけは毎走行後実施していた。旧車でも下回りさえ腐っていなければ30年以上使用することができる。
塗布から2カ月経過GWに4000km走行後、さすがは耐熱塗料変色などしていない。
あれ、剥がれてら。

どうもここは前輪からの跳ねあげ水が当たるところなので、ここだけ剥がれてしまったと推測される。
とりあえず上から再塗装しておいたけれど、ストーブ煙突用の耐熱塗料なので自動車用との違いはこのへんにあるのかも知れない。ここ以外の塗膜は良好なので、ここだけ自動車用耐熱スプレーを吹いておけばOK.か?泥除けをタイヤハウスに取付してみるか。


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