野付半島は日本最大の砂嘴でトドワラ、ナラワラなど景勝が楽しめて湾内に島も点在し地形も複雑なのでカヌー で散歩すると面白そう。トドワラは20年前の北海道ツーリングで立ち寄り陸から観賞し印象に残っていたので、海から鑑賞するのも一興と思い、ナラワラパーキングにP泊して出艇してみた。
ナラワラPは道道脇にあるので日中は騒がしいけれど、この先に集落はなく行止まりの道なので、夜は全く人気がなく最寄り集落から10km以上離れていて静寂そのもの。
いざ出航。

ここが海であることを忘れていて、この状態で1時間ほど昼食をロデオ内で取っている間に潮が満ち、パドルが半分流されていて焦った。
ここは道路からでも観察できるけれど、水面から見る景色はまた一味違う。
広さのわりに水深は中央部でも20cmほどしかなく、船外機は全く使えなかった。パドルで漕いで回る。
ナラワラから数km続く細長い砂嘴を廻り込む。

広大な湾なのに中央部でも水深は1m位しかなく度々スクリューが海底に接触、しかも水草で覆われているのですぐにスクリューに絡まって度々船外機を停止し、絡みついた水草を取らねばならなかった。なぜ他に船が一隻もいないのか初めてわかった。
水草地獄。

船体にまとわりついてかなりの抵抗を感じる。

満潮時は普通の海にしか見えないけれど、潮が引いてくるとその正体を現す。
とっくに船外機は使えない。パドルで力いっぱい漕いでもスピードは出ない。遠くに新トドワラが見えるけれど全然近づかないうえに干潟が入り組んでいてルートが見つからない。
水草を掻き分けてやっとの思いで干潟に上陸。1時間もかからず行けると思っていた場所に漕ぎっぱなしで3時間もかかった。

トドワラを見た後南下して風連湖まで足を伸ばす予定だったけれど、この時点でスッパリ諦める。
結局新トドワラへは水草と干潟に阻まれ、次はトド原を目指したけれど読図を間違えて隣の半島へ上陸してしまったようだ。なんちゃってトドワラだけれど、ここまでに予想以上の時間が掛ったのでここで諦める。
まぁ雰囲気はあるけど、規模が期待外れ。
帰りは潮が満ちてきたので、行きの苦労が嘘のように船外機全開で30分ほどでナラワラの裏手に出る。道路側よりずっと規模が大きいようだ。
トドワラは外したけれどナラワラは良かった。

野付湾では潮の満干具合に大きく左右される。干潮ならここも水草地獄だろう。
こんな豊かな水面からは干潮時の水草地獄はまるで想像がつかない。

またしても自然の奥深さを痛感した1日でした。


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