10年程前に初めてカーナビゲーションを体験した時は常に現在位置が把握できることに革命的な衝撃を受けたものですが、10万円したシステムも今や1万円前後で手に入る時代になりました。

素直に専用機を購入しても良かったけれど、ステレオ、テレビ、DVD、バック&サイドカメラ、ドライブレコーダーとしても使用したいので周辺機器の規格が統一されていてトータルで価格の安いWindows機を設置することにした。自宅で使用しているPC(=このHPのサーバー)と無線LANで駐車場からデータ交換できることと携帯もWindowsモバイル機のためバックアップ機として使用可能であることも考慮した。
工人舎のSH6、3~4年前のエントリーモデルなのでCPUは600MHzと現在の携帯よりも遅いが、別に複雑な処理をするわけでないのでスペックは全く気にしていない。ヤフオクの中古相場で1万円を切っているのと7インチ回転液晶タッチパネルで狭い車内でも視認性と操作性に優れることが選定理由。偶然のぴったりサイズでダッシュボードに置くだけの簡単設置で運転席からの視野を全く妨げることなく視認性の高いベストポジションを確保することができた。

電源投入からOS起動まで3分、スタートアップに登録してある各アプリケーションが全て自動起動するまで更に3分かかる。ハッキリ言って日常の足車には全く使えないシステムですが、キャンピングカーは出発準備に30分以上かかるので起動時間の遅さは全く問題にならない。一度起動してしまえば複雑なアプリケーションを使用しているわけではないし、メモリーは1GBとそこそこの容量があるので、複数アプリの同時使用でもHDDスワップを起こすことがなく速度に不満はない。
カーナビとしてはスーパーマップルデジタルを使用。厳密にいうとナビではなく地図上に現在地を表示するだけですが、もともと私はナビゲーション機能が嫌いで、DVDカーナビ専用機を使用していた時もナビゲーション機能は使わず地図表示だけにしていた。旅ではいつも目的地への最短距離を目指すわけではなくむしろ景色のいいところや走って気持ちのいい道を選ぶことが多いので、ナビゲーション機能はあまり役に立たない。それ以前に機械ごときの命令に従って運転することが面白くない。機械はあくまで人間に判断材料を提供してくれればいいのであって、機械の出力に従って人間が動くなんてのはどっかの映画の中だけにしてほしい。

USB接続のGPSユニットと地図ソフトがセットで実売5000円程度、ヤフオクで数年前の中古を1000円で調達、USB接続なのでボンネットの上にGPSユニットそのものを置いてしまい外部アンテナなど不要、100円ショップのUSB延長ケーブルをエンジンルームから車内に引き入れるだけの簡単設置で30秒以内に衛星捕捉、測位感度は10年前10万円したカーナビの10倍と申し分ない。
音楽や動画も容量100Gの内臓ハードディスクの中に大量にストックして車窓に合った音楽、見たいPVを検索一発で視聴することができる。自宅駐車場から無線LANで常に自宅のPCと同じ状態にできるので最新音楽もバッチリ。かさばるCDを手でめくって曲探ししたあげく自宅に忘れてきたなんてやっていた数年前とは隔世の感がある。
アンプは秋月電子通商 で700円のUSBオーディオモジュールを通販で2枚購入し運転席とダイネットに設置した。USB接続なのでヘッドフォン端子からケーブルを取りまわすことなくUSBハブに接続するだけで簡単だしノイズ混入の心配がない。値段が値段なので音が出れば良い位に思っていたが、聴いてびっくり、ロデオ購入時付いていた某有名カーステレオメーカーのCDの音がAMラジオのような音質に聞こえてしまう。ボーカルの息遣いまで感じる透明な音とはこういうことを言うのか、高級オーディオにはまる人の気持ちがちょっとだけ分かった気がする。

Macで採用されている基盤の放出品とのことで、さすがは芸術関係に愛用者の多いMacらしいこだわりの作りだ。10W+10Wとパワーは控えめなのでドンシャリ音が好きな人には物足りないかもしれないが、ディーゼルトラックロデオの高速道路上でもボリュームは9分程度と私には必要十分、静粛な乗用車なら5分以上にすることはないだろう。名刺大のサイズだしボリュームなどの操作もPCで行うのでインパネの隙間に突っ込むだけで場所を取らない。消費電流も12V直接供給改造で実測300mA(ロデオ蛍光灯の1/6)なので発熱もほとんどない。デジタルアンプの高効率、高音質にはただ舌を巻くばかりだ。
スピーカーはペア500円の中華安物をパンクベットにおいてみたところ、パンクの形状がちょうどホールのようなのでダイネットに対しちょうどいい反響効果があり自宅では味わえない音場を体験できた。

ロデオはパンクの位置が低いのでスピーカーの直接音も損なわれず、ゆるやかなR天井に反響した間接音とちょうどダイネットで混じり合いなんともいえないサラウンド効果を生み出す。

もともとキャンピングカーはオーディオリスニングには最適。
適度に反響する密閉空間で良質な直流電源が取れ、静かで迷惑のかからない場所へ自在に移動できる。

自宅にも10万円程度かけたオーディオがあるけれど、アンプ700円スピーカー500円+PCのこのオーディオの音はまた違った魅力があって、駐車場で1時間くらいつい聞き惚れてしまうことも。
ドライブレコーダーはWebカメラをUSB接続、画質にこだわるわけではなく見えればいいので、10年前の中古安物で十分、ヤフオクで1個100円以下で手に入る。USB接続数の上限は127個、USBハブを延長タップのようにタコ足配線していけばカメラはいくらでも付けられるので、正面に向けた1個をドライブレコーダーとしてPC起動と同時に録画開始するようにし、グレータンク排水口の真上にも1個設置して排水ダンプ時にマンホールとの位置合わせを1発で決められるようにする。

バック、サイドカメラも最初Webカメラを使用したが、バックギヤや左ウィンカーと連動させるのが難しいし運転中に手動で切り替える暇もないので、7インチ液晶とバックカメラを購入。今は5000円以下で手に入る。ボンネット左の小型ミラーはほとんど役に立たないので取り外し、ステーを利用してカメラを装着。キャンピングカーでは左真横が全然見えないので左側への合流はいつも恐怖で、並走車に気付かず幅寄せしてしまいクラクション鳴らされたり何度かヒヤッとしたが、これは必需品と実感した。

運転中のタッチパネル操作は危険だし不正確なので、フライトゲーム用のジョイスティックをシフトレバーの横に設置しマウス代わりに操作する。前に遅い車やいらつく車がいた時はロックオン、ファイヤーと叫びながらトリガーを引けば気分も爽快?停車中ちょっとネットアクセスのため小型のUSBキーボードもドアポケットに入れておく。

ダイネットにもUSBハブを設置し、15インチ液晶モニター、アンプ、外付DVDドライブ、キーボード、マウスを接続。ハブに更に孫ハブを繋ぐことも可能なのでダイネットから車体最後部まで延長ケーブルを繋ぎ後部外壁にひ孫ハブを設置し、バックWebカメラ*2(バックミラー視界とバック用真上から視界)とワンセグチューナーを接続。
使用USB機器は15個でも1個当たりは全て1000円以下というのはWindowsPCならでは。メーカー間で周辺機器に互換性のないカーナビやカーステレオではこうはいかない。

車載PCシステムの欠点としては
・とにかく起動が遅い。
・稀にシステム不安定になる(中古安物周辺機器15個も繋げばあたりまえ)。
・1つの操作をするのに何度もクリック(タッチ)する必要があり面倒、ショートカットキーを設定すれば緩和するが設定も面倒なので結局やらない、やっても専用リモコンにはかなわない。
・キーやライトとの連動も可能だが改造難易度が高い。
・夜間画面モードがない。
・それぞれの機能の性能は専用機が上のことが多い。

長所
・様々な周辺機器を安価に接続、一元管理できる。
・操作が体系化されているので機能ごとに覚えなくていい。
・複数のリモコンがゴチャゴチャしてシート下に潜ったりするわずらわしさから解放されるし運転席周りがスッキリする。
・世界レベル規格統一大量生産のため安価、製品寿命が長い。

今やパソコンも携帯もカーナビもカーステレオもETCも基本は全て同じコンピューターなので、これらは将来ますます統合が進むことになるでしょう。現在はライセンスや商標の問題があるし、単体機能で食えているうちはメーカーも統合に本腰を入れないでしょうが、高性能タブレットPCに組込機器用OS(WindosCEやembeddedなど)を機能限定にして組込めば30秒以内の起動は可能でしょう。
PCからの電源、RGB、USB、LANのケーブルはダッシュボードからフロアに直接落としていたけれど、見た目が悪く邪魔だし無理に曲げたケーブルが振動ですぐ外れてしまうので、メーターを外してハンドルの後ろを通してスッキリさせた。運転席からの位置も近くなり見やすく扱いやすくなった。
このメーターはいすゞミューのタコメーター付きに交換することもできるようで、shu-sideさんのHP に詳しく載っています。私もたまにヤフオクをチェックしているのですが、なんせ20年前の車なので出玉が無い・・・。参考までにメーター上面には8970708540、113-100、4Jといったナンバーが印刷されていました。

中央のケーブル受け軸に電動ドリルを差し込んでしばらく回せば走行距離は簡単に変えられるので、この年代の中古車の走行距離計はあてになりません。各部の状態をよく見て購入されることをお勧めします。
メーターの取り外しは簡単だがわかりにくいのは下から止まっているビス2本。ハンドルカバーを外して運転席足元から覗き込む。
ちなみにぶら下がっている変な基盤はミサイル発射回路、ではなくてターボタイマー。超有名なタイマーIC555 とリレーによるデータシート通りの簡単な30秒遅延OFF回路を部品代150円で自作。

この時代の車はローテクなのでいろいろ自作回路を取り付けて遊べる。今の車はイモビライザーや各種センサーが付いていて下手にいじると何が起こるかわからない。
ダイネットとの通信ケーブル類をスッキリ?足元に纏めることができた。
   


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